初めての業務停止命令

2011.10.28

関係者は震え上がった。不動産証券化業務に最初に出された処分である業務停止命令は極めて重い処分だった。処分には業務改善命令と業務停止命令があり、多くは業務改善命令にとどまるが、金融庁が悪質とみなした案件で停止命令が出される。しかも、処分の対象が証券会社、信託銀行、銀行それぞれに対して出されグループぐるみで不適切な行為をしていた実態を浮き彫りにした。不正な不動産証券化にメスを入れようとする金融庁の強い意図が処分に表われていた。

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それ以上に大きかったのは、証券化の問題点が露呈したことだった。金融庁は処分の理由となる法令違反をあげている。そのなかで「組成内容を検証した結果、適法状態への是正が困難な違法建築、収益還元法などを利用した物件評価の嵩上げ、流動化や開発に不適の不動産や土地を使った金融取引、信託を導管体に物件を短期売買する税回避などが多数確認された」と指摘した。深刻な指摘たった、証券化はきちっとした裏づけ資産を小口化し、投資家に保有してもらうのが本質だ。ところが裏づけ資産自体に欠陥があった場合、それをもとに作った証券化商品も不良品となってしまう。証券化商品はたとえ不良品でもそれを隠して販売してしまえば、将来、その不良品から発生するリスクは投資家がかぶることになる、投資家は不動産に関しては素人なので介在する業者を信用するしかないが、その業者が裏づけ資産に違法建築を入れていたのだ。