今までにこんなことはなかった。何しろ住宅金融公庫の融資が年利四%前後であり、民間の金融機関の住宅ローンも、変動で年利四%半ばの低利で借りられる。こんなに安い金利を放っておく手はない。一般に、住宅の値段は、年収の五倍程度が一応の目安とされるが、実際に、皆が「マイホームを買おう」という気持ちになるのは物件の価格だけではない。金利や所得の伸びに関係しているのだ。現在の状況はどうかというと、給与の伸びは不景気の影響を受けてなかなか厳しいものがある。実質賃金は一三年ぶりに減少に向かっているほどだ。にもかかわらず住宅が売れ続けているのは、やはり、金利水準が低いことにより月々のローンの支払いの負担が軽くなり、給与の伸び悩みをカバーしているといえるだろう。そこへ持ってきて、物件価格が手ごろになっているのだから、こんなチャンスはないわけだ。とくに公庫融資や年金融資は、返済期間が三五年と長く、しかも金利は固定である。つまり、低い金利のままで三五年間ずっと支払っていけるので、こんなに有利なことはないのだ。だが、この低金利も景気がこのまま回復すると、二、三年のうちに、かつての年利五%台に戻ってしまうことも十分考えられる。
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