地震発生一時間後。廊下の非常灯が点っていた。自家発電は稼動しているものの、エレベーターは止まったままだ。当分、動かない。夫から携帯電話がかかってきた。「会仕で緊急対応をしている。明るくなったら歩いて帰るよ」と元気な声が聞けた。長男のようすも伝える。二人とも夜が明けての帰宅になりそうだ。管理組合の「防災マニュアル」では家族の安全確認ができたところから「対策本部のある防災センター」に集まって活動を始めることになっている。
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夫は対策班のメンバーだが、帰れないので仕方ない。二四階のフロア班長が安全確認に来てくれた。二四〇三号室の七〇代の女性が手を怪我したという。ご主人も高齢なので二階の救護室まで付き添っていくことになった。避難階段を下りる。下りはさほどでもなかったが、上りはこたえる。手当てをした女性の体を支えながら、休み休み、ゆっくり戻ってきた。各フロアの安否情報は五階ごとにブロック長がまとめ、防災センターの対策本部に報告することになっている。エレベーターは停止しているので連絡は「脚」が頼りだ。深夜、電力が復旧した。